卒業生代表の答辞

　３月１日（日）、岐阜聖徳学園高等学校の第５回卒業証書授与式が挙行されました。
　会場は岐阜聖徳学園高校体育館。普段、部活動や体育の授業で汗を流した場所も、この日はいっぱいの椅子で主役の登場を待っています。正面には「卒業証書授与式」の文字、背面にはそれを祝う祝電の数々が、花に囲まれて掲示されています。
　あいにくの雨空の寒い日でしたが、卒業生たちは、お世話になった担任の先生に先導されて、自身の成長と節目を感じるように、にこやかに、誇らしげに入場してきました。
　岐阜聖徳学園高等学校の卒業式は仏式で行われ、開式の辞の後、館内は消灯されます。正面の法輪だけが燦然と輝き、厳かな聖歌をＢＧＭに、灯明や花、お香をお供えするところから式は始まります。卒業生たちも３年前の入学式でおぼえた感動を再び思い起こしたかもしれません。
　担任の先生から名前を呼び上げられて返す返事の声は、卒業生一人ひとりの個性を表しています。元気のよい返事、寂しげな返事、さまざまな声が会場に響き渡りました。
　卒業式の後、各クラスに分かれて、クラスごとの「卒業証書授与式」。最後の別れを惜しみました。涙でクラスメイトへの言葉も出ない人、涙を流しながら弁舌をふるう担任の先生、３年間の思いを込めて切々と語る人……。日曜日の開催であったために、保護者の参加も例年以上に多く、どの教室も保護者の方々があふれ出るほどでした。保護者の中にも、目に涙を浮かべて子どもの成長を見守る人があちらこちらにいました。
　みんなが生き生きとした輝く笑顔で先生やクラスメイトを見ている姿は、学校という教育機関の、一つの醍醐味なのかもしれません。この姿をお互いに見るために、３年間、担任の先生も生徒たちも努力してきたのかもしれません。
　晴れの卒業を迎え、これから旅立つ未知の世界に、怖れと期待、ちょっとした自信と大きな不安を抱えながら、前に進もうとしている生徒たちの姿、それを先生や保護者が温かい目で見守る姿が、卒業式のこの日には凝縮されているようでした。